ハーブと暮らしnote

HMCフィトテラピー通信 〜滋養強壮〜
グレーライン Date:2025.7.25
Category:ハーブレッスン
Writer:佐藤


滋養強壮

HMCフィトテラピー通信では、こころとからだにまつわるテーマを毎月設け、ハーブや精油を用いた日々のケアや過ごし方についてお伝えしていきます。
暮らしの中にフィトテラピーを取り入れて、植物のある暮らしをより多くの方に愛しんでいただけるようご提案していきます。
 

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年々、真夏日の期間が長くなっていると思いませんか。過ごしやすい季節がすっかり短くなってしまった印象を受けます。
そこで、私たちには過酷な季節を過ごす為の身体づくりがより一層重要となってきます。
今回のテーマは「滋養強壮」。スタミナドリンクの摂取などが代表的なイメージでしょうか。
それももちろん疲れた時には役立ちますが、頓服のようなもの。
ここでは日々の食事や運動習慣、睡眠、メンタルケアのライフスタイル全体でケアすることが真の滋養強壮に繋がると考えてみましょう。

夏は陽気が高まり自然界の全ての新陳代謝が活発になる季節で、それは人間も同じ。
発汗や代謝が盛んになる一方、その分消耗しやすく身体に必要な栄養が不足する季節でもあります。
エネルギーを作り、疲れを回復させること。季節に限らず慢性的な疲労やエネルギー不足を感じている方も多いはず。

疲れを感じる前に身体の土台を整えて「滋養強壮」ケアをしていきましょう。



 
滋養強壮とは
 

そもそも、よく聞く滋養強壮とは何でしょうか。

「滋」は潤すこと、「養」は育てるという意味。身体に必要な栄養を補い養うことと解釈できます。
「強壮」は身体を丈夫にして活力を取り戻すこと。つまり、身体に栄養と力を与えて本来の健やかな状態に整えること。単なる疲労回復ではなく日々の生命活動を支えるアプローチが求められます。

一時的に身体的、または精神的にパフォーマンスが低下する「疲労」は、睡眠や休息、バランスの良い食事などをとることで回復し大きな問題にはなりませんが、滋養強壮が必要なケースは一時的な疲れではなく、身体が根本からエネルギーの不足を訴えている状態で、エネルギーや栄養状態を底上げすることにフォーカスすることが求められます。

・季節に関係なくだるくてやる気が出ない
・特に夏に食が細くなる
・病後や術後の回復期に筋力や体力が落ちた
・加齢による体力や代謝の低下
・慢性的なストレスや睡眠不足
・偏った食生活や栄養不足
・ちょっとしたことで体調を崩す
などの状態が続く時は滋養強壮のタイミングかもしれません。

言い換えれば、日々の「疲労」の回復の積み重ねと解釈することもできます。
滋養強壮をサポートする生活習慣はやはり基本の生活を整えること。睡眠の質と適度な運動。そしてこまめなストレスケアが効果的です。
 
季節の変わり目に特に疲れやすい方は『土調茶』がおすすめ

ハーブでパワーチャージしたい方は『Overwork』がおすすめ
 


 
隠れ栄養失調と滋養強壮
 

食事はしっかり摂っているつもりなのになんだか慢性的に疲れやすさを感じる、そんなことはありませんか?
最近よく聞く【エンプティーカロリー】という言葉。
カロリーは足りているのに栄養が足りていない傾向にあることをいいます。エネルギーはあってもビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養が空っぽな状態です。
毎日忙しくてついついコンビニ食が続いてしまう、暑くて食欲がなくそうめんなどで簡単に済ませてしまう、そんな方々は要注意!
糖質中心の食事になり野菜不足など気づかぬうちに栄養が偏りがちになってしまいます。

糖質が過多になると、血糖値の急上昇に繋がりやすいのも特徴で、疲れやすくなりむくみやだるさが起こりやすくなります。エネルギーは摂れても、「気血」の材料にならず、栄養不足なのに肥満になる、日々のパフォーマンスがダウンする、慢性的に元気のない状態が続くことになります。

慢性的な疲れは滋養が足りていないサイン。滋養強壮はこうした代償を未然に防ぎます。
特別なスタミナ食を食べれば大丈夫というわけではありません。
人の身体は約37兆個の細胞から出来ていますが、その細胞の多くはタンパク質で出来ています。
ヘルシーにしているつもりのサラダだけの食事やパンや麺類だけの食事では極端に足りていません。
体中で常に使用されているため、こまめに補う必要もあります。
鶏肉や卵、魚や大豆などの良質なたんぱく質を積極的に摂りましょう。お菓子の代わりにゆで卵を食べるのもオススメです。その他の食材もバランス良く摂ることも当然欠かせません。
日々補い整え養うことが本当の滋養なのです。

<ビタミン・ミネラル補給におすすめのハーブ>

ミネラルと抗酸化物質を多く含む『グリーンルイボス

夏場の貧血予防に『ネトル



 
東洋医学の知恵からみる滋養強壮
 
 
身体を内側からしっかり満たし、五臓六腑が健やかに働ける状態を保つことが理想です。

滋養強壮の観点からは特に東洋医学でいう「脾」に注目。現代医学の脾臓とは少々異なり、飲食物の消化や栄養の吸収、気や血のエネルギーの産生などを担う役割があります。

脾の働きが弱ることを「脾虚(ひきょ)」といい、
・慢性的な疲労感や食欲の低下
・食欲不振や胃もたれ
・だるさや浮腫み
など様々な不調が出やすくなります。
特に女性は筋肉量の少なさや月経や妊娠・出産などのライフスタイルの変化がめまぐるしく、気血が不足しやすい傾向にあり、脾への負担がかかりやすくなります。

そして「脾」は湿気と冷えに弱い臓とされており、日本の夏の湿気の高さは脾を疲弊させます。
湿邪(身体にとって余分な湿)は脾の運化作用(食べた物をエネルギーとなる気と血に変える力)を低下させます。
またクーラーや冷たい飲み物による身体の冷えが合わさり脾虚を加速させる要因となり、その結果エネルギーを上手く作り出せず、疲れが取れない、だるい、食欲が出ないなどの脾虚の症状となって現れるのです。

そこで、疲れやだるさ、暑さを払拭するために、高カロリーなものや冷たい食べ物で身体に栄養をつけて暑さを乗り越えよう!とするのを一度見直してみましょう。
脾の負担にならない食品を知っておくと脾の働きが健やかになり、徐々に脾の状態が整い滋養の土台ができて、疲れやだるさ知らずの身体がつくられるでしょう。

脾の働きを整えるには温かくて消化に優しいものが基本です。
穀類や豆類、健脾とされる山芋や棗、南瓜、動物性のタンパク質も消化に良く栄養価が高い食材です。生野菜よりも蒸し野菜がおすすめです。
 
滋養強壮に関係の深い五臓「脾」についての詳細は、HMCのオンライン講座「陰陽五行フィトテラピー講座」で詳しく説明していますのでご興味のある方はこちらをご覧ください。
 
<オンライン講座>陰陽五行とフィトテラピー講座



 
フィトテラピーでサポート



では、フィトテラピーではダイエット・メタボケアをどのようにサポートできるでしょうか。
「食べ物」と「香り」と「ハーブティー」の観点からおすすめしていきます。



<食べ物>
エネルギーを生み出し疲労回復効果のある栄養素を多く含む食品を、疲れやすさを感じた時や集中力が低下した時に積極的に摂取しましょう。
特にビタミンB群はエネルギー代謝をサポートし、糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変えてくれます。暑い日にだるさを感じたら、豚肉や鰻を使った食事を摂りましょう。アリシン(ニンニクやネギに含まれる成分)を一緒に摂ると吸収力が向上します。豚肉とニンニクの炒め物など美味しそうですね。

また、疲れが取れにくい日はビタミンCとクエン酸を意識して摂取しましょう。疲労物質の代謝を促進し、筋肉の修復に役立ちます。それらの成分を含むローズヒップハイビスカスでコーディアルを作って常備しておくのはいかがでしょうか。水や炭酸で割って疲れを癒すひと時を過ごしましょう。

 
<香り>
心身両面の疲労回復に役立つマージョラム・スイート<精油>の精油をおすすめします。
筋肉疲労の緩和にマカデミアナッツオイルなどの植物オイルで希釈してマッサージ。温めながら身体をほぐしてくれます。また、その時の香りで副交感神経を優位にし、深いリラックスに導きます。


<ハーブティー>
■シングルハーブ
シベリアンジンセン
かつて、宇宙飛行士の訓練の際やオリンピック選手の練習後の疲労回復や心身の強壮に使われていたというシベリアンジンセン。日々の心身のストレスに適応力を高めるアダプトゲンハーブの一つです。味にクセがないので、普段の飲み物にちょい足しをしてコツコツと滋養強壮に取り入れるのにぴったりです。

フェヌグリークシード
マメ科の植物で、アーユルベーダ医学はもとより世界中で古くから使用されているハーブです。病後の回復期のサポートとしても飲用されるほど元気をもたらし、食欲の回復にも役立ちます。スパイス系で身体を温めるので、クーラーの冷えと外の暑さで寒暖差疲労を感じる時にも活用できます。

 
■ブレンドハーブ
Relax & Warm
 日々リラックスする時間を持つことも滋養強壮に繋がります。その日の疲れはその日のうちに解消しましょう。特に夏はクーラーでの冷えも気になります。冷えによる不調は多岐に渡りますが、胃腸の冷えにより消化機能が低下した時にもジャーマンカモミールとオレンジピールが胃腸を温めながら消化を促してくれます。
 
イガイガ・ガラガラGood-bye〜Throat care〜
汗のかきすぎた時には、身体に潤いを補うことが大切。ほてりや乾燥を防ぎ質の良い睡眠に導きます。必要な水分をしっかりと補う事は滋養に結びつきます。マローブルーの青い色素のハーブティーは心と身体に安らぎをもたらしてくれます。



 
さいごに


滋養強壮とは、エナジードリンクを飲むことではなく生活習慣の土台を整えることから始まるということがなんとなく伝わったでしょうか。

特に夏の寝苦しい夜は睡眠の質が下がり朝起きても疲労が回復していないこともありますよね。
睡眠中に分泌される成長ホルモンが疲労回復には不可欠。
慢性的な疲労が続くときは、5分でも早く布団に入るように心がけてみましょう。

滋養とは自分を労わり大切にすることも含まれます。
毎日の食事や睡眠を整えて、慢性的な疲労から一歩抜け出しましょう。
 

 

 

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